Cardboard Landscapes 1973

Ghirri, Luigi, 2017, The Complete Essays 1973-1991, London: Mack, 17.

「紙の風景」

　私はこれまでそれほど遠出をしたことがありません。スイス、フランス、オーストリア、ドイツ、オランダ、イタリアの中央・南部を訪れたにすぎません。それも、夏休みや週末のあいだでのことでした。

　旅で、私は二種類の写真を撮ります。誰もが撮る典型的な写真、これは結局のところ、ほとんど興味深くありません。その次の、もう一方のものが、私が本当に関心を持ち、本当に「私自身」について考える写真です。

　この二つ目の写真のカテゴリーにおいて、その被写体は日常のモノであり、私たちの普段の視界で見られるモノ—私たちが受動的に見慣れているイメージです。それらを囲む現実から隔絶され、別の語りの一部として写真に表現されたそれらのイメージは、新しい意味を持つようになります。

　そして、ここで私たちはそれらの活動を観察できるようになり、それらの批判的解読に乗り出すことができます。これが、私が都市景観と町の郊外に特に興味を持っている理由です—なぜなら、それらは私が日々経験する現実であり、私が最もよく知るものであり、継続的な批判的分析を受けた「新しい風景」として表象することができるからです。

　そして、これは私が地図帳のページを縦横無尽に旅をすることが好きな理由であり、またそれ以上に、私が日曜日の小旅行に家からほんの数マイルの距離を出かけるのが好きな理由です。

Il Diaframma/Fotografia Italiana, No. 188, December 1973