Colazione sull'erba 1972-1974

“Colazione sull'erba 1972-1974”

Ghirri, Luigi, 2017, The Complete Essays 1973-1991, London: Mack, 26-7.

Ghirri, Luigi, 2017, Luigi Ghirri: The Map and the Territory, London: Mack, 118.

 

「草上の昼食[1] 1972-1974」和訳

 

 この制作は、「コダクローム」と並行して実施されました。しかし、「コダクローム」とは似ておらず、およそ2年という比較的短期間で完成されました。

 「コダクローム」での主役は、写真的イメージそれ自体であり、「草上の昼食」では、自然の神話的イメージと家が舞台の中心にあります。したがって、「草上の昼食」はたんに郊外の緑豊かな場所の研究をしようとしたのでなく、分析と反省の時間のための冒険なのです。

 この写真のシリーズでは、実存的ポートレートと、それと同様に自然の世界、家とその現代的な住人の参照系を提供しようとしました。

 そんな中、一方では構造上の正面の幾何学的な厳格さは、感覚遮断の一種(その精密さと反復からくるモノの意味の欠如)を、その他方で、芝生の上の生垣や植木の装飾的な配置は、遮断の感覚と矛盾する配慮や注意の度合いを示します。これは私が皮肉っぽいとか批判的なものではなく、何にもとらわれない接近方法を用いることを選んだからであり、それは建築とその装飾的造形の際限ない分裂のなかで一つになっている実体を立証することにおいて、より意義のあることだと確信しているからです。

 私は器の小さい方法で制作したくはありません。むしろ、見るという活動においては、私はつねに私が撮影するものを理解しようと試みています。このシリーズは意味の疲弊を明らかにすることや、今日の自然の象徴的剥奪を強調することを目的としていません。むしろ、私たちが毎日、曖昧な感覚を維持しなければならないことを提示することを目的としています。そして、そこで私たちは広い心で私たちの日々の世界を翻訳しなければなりません。

 また、私はフレーミングの明白な手段である―つねに真正面を―という形式的な操作を避けようとしました。そして、私の徹底的な理解に順応する直接的なまなざしだけを使うことを選んだのです。

 

Luigi Ghirri, Milan 1979

 

[1] 「草上の昼食」とは、エドゥアール・マネの絵画「Le Déjeuner sur l'Herbe」の引用である。